自転車世界一周

 こんにちは。久々に日本語で書きます。
 皆さんお元気ですか。スイスのアルバノさんのお宅で、デジタル写真をコンピューターに取り込んでもらい、さらに、日本語設定までしてもらいましたが、かなりややこしい作業で時間がかかりました。リコーのカメラのソフトがなく、しかも日本語切り替えのCDを入れる機械の調子が悪く、インターネットからインストールしてもらいました。
 私のほうは現在スイスの首都にいます。5年前ニカラグアで出会い、約2週間ともに旅したアルバノ君の家にお世話になっています。彼とはコスタリカサンホセで別れて以来の再会です。中心街から2キロ離れたところで大きな家にメキシコ人の奥さんと二人ですんでいます。スイスのあまりの物価の高さにひーひーいって走っていましたが、ここでやれやれ休養しています。ここまで数日間、森や橋の下で野宿し、米かスパゲティにジャガイモとパンといった質素な食事で食いつないできました。なんとマクドナルドのハンバーガーですら300円もする国柄ですから。しかし給料は自給1500円だそうです。
 7月初旬カナダのケベック市から飛行機でパリに移動しました。パリではサイクリングクラブのジャンルックさんが空港まで車で迎えに来てくれました。数日間彼の家で過ごし、その後、パリのアパートにベース基地を持つ世界旅行記録保持者のドイツ人ハインツさんのところに約1週間滞在させてもらいました。ハインツさんは43年自転車で旅していて、現在65歳で現役の旅人です。1995年にはギネスブックの記録保持者になりました。ちょうどこのとき写真の整理のためパリに帰ってきておられました。私とは6年間で4度目の再会を祝ってくれ、7月23日私の8年目の記念日をビールとご自慢のシチューをご馳走してくれました。毎日朝から晩まで旅の話しに明け暮れました。7月24日はツールドフランスでランスアームストロングの7度目の優勝を見ました。
 フランスは畑が広がり小さな丘がいくつもあり、小さな古い町が、畑の中に点在しています。道は細く、町に入ると交通量が増えますが、アメリカより人々の運転が優しいように感じられます。歩く人からしばしば声援が聞こえました。
 8月1日ジュネーブの友人クロードさん、ローズさんのところにつきました。ここで日本の友人の中村さんから送られたデジタルカメラと山崎さんから送られた日本語変換CDを受け取りました。7年自転車で世界を旅したクロードさんは2冊の本と写真集を出版し、スライド写真のショーで生活を立てています。今ではスイスでもっとも有名な自転車旅行家です。
 8月5日シャモニの町に着いたとき、イタリア人サイクリストのスベボさんがまっていてくれました。車にはわたしのための登山道具がびっしり積み込まれていました。その日ケーブルカーで3800mのエギゥーデミディまであがり、そこでキャンプし、5日と6日は吹雪の悪天をテントの中ですごし、7日の夜中12時に出発し、雪山をヘッドライトの明かりを頼りに前進。途中の急斜面はクランポンピッケルを頼りに本格的な登山を体験しました。翌朝9時にモンブランの4807mの山頂に到達できました。高度調整ができていず、最後の上り道で疲労がピークに来ていました。息が苦しく、体は重く、気力だけで前進しました。苦しかった分感動はひとしおで涙がでました。
 モンブラン登山の後はマッターホルンの見えるツェルマット村やアイガー山の見えるグリンデルワルト村など景色のすばらしい観光地を訪れました。観光客で混雑しているところはあまり好きではないが、その雄大な風景は感激させてくれました。これらの場所はふもとの町から500-1000m前後標高が上がるから、長い時間上り坂をゆっくりと重い自転車であがっていきました。よく人々から声援をもらいました。
 今後ドイツ南部、オーストリアハンガリースロバキアポーランドリトアニアラトビアエストニアフィンランド、ロシア、ウクライナギリシアユーゴスラビア、、、とヨーロッパの国々を年内は走って行きます。何か情報がありましたらお知らせください。

順調そうです。写真の背景の山々がとても綺麗で羨ましい。